【書籍】 エピソードで綴る 名物物語        歴史・分類と美学  矢部良明 著 [v393cbk18048]

【書籍】 エピソードで綴る 名物物語        歴史・分類と美学  矢部良明 著 [v393cbk18048]

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東京国立博物館名誉会員  矢部良明 著  

 

鎌倉時代に中国から請来された唐物は足利義満、義政などによって珍重され、東山御物として重宝された。それらは、信長、秀吉、家康など天下人や戦国武将たちによって名物として継承されるが、わび茶の誕生、独創的な茶人や町衆の台頭などによって、その価値観には微妙な変化が生じ、それはやがて多様な文物群へと広がってゆく。それをランク付けしたり再構築して後世に伝えようとした遠州や不昧によって中興名物や大名物などの概念が誕生する。  本書では、これら名物の価値観の変遷とそれに関わった人びとの営みを、史料に基づきながら解き明かす。

 

【目次】 第一章 名物の語源探し  重宝から名物へ  何故に重宝から名物に代わったか  茶の湯界を潤す名物選定の価値基準 第二章 北山殿と東山殿の重宝と御物  重宝から名物へ、価値のドンデン返し  唐絵と唐物  足利義満所持の唐絵と義教所持の唐絵  重宝の基準  対幅飾りの原則が茶の湯では崩れていく  重宝と御物の関係 第三章 名物というレッテルと重宝のドンデン返し  重宝を洗い直す茶の湯者たち  位金と実勢価格  値段の上で、工芸が絵画を越える  建盞から天目へ、主役が交代 第四章 桃山武将が憧れた名物  織田信長が収集した名物  二本柱から成る信長の名物  豊臣秀吉の名物観  徳川家康の名物観  江戸前期の名物観を代表する『玩貨名物記』 第五章 中興名物と小堀遠州  茶道具における「中興」とは?  古典と新作を取り合わせる若き遠州  中興瀬戸茶入の焼造時期  瀬戸茶入を鑑定する小堀遠州  遠州が試みた瀬戸茶入の窯分け  高麗茶碗に注目する遠州 第六章 中興名物というランキングの成立  中興名物の概念の成立過程  伏見屋本『中興名物記』が捉えた中興名物  別本の『中興名物記』が伝える中興名物  大名・松平乗邑の名物観 第七章 名物の原点に戻ろうという松平不昧  『古今名物類聚』を編纂する松平不昧  不昧が心掛けた客観主義  不昧が唱えた大名物と中興名物  大名物と中興名物の実像  後窯と国焼の中興名物  新興の名物をどう扱うか、考える不昧  小堀遠州の翳が色濃い床の掛け物  遠州の名物体系を尊重して、自らの趣味性を僅かに加える不昧  新発見の大名物クラスは中興名物の仕分けよう  「中興並」のランク付けの歴史的意義 第八章 拡大する江戸後期の名物観  拡大する名物の枠取り  遠州に捉われない自由な名物判定

 

【著者プロフィール】 矢部 良明 (やべ よしあき) 1943年神奈川県生まれ。東北大学文学部美術史科修了。 東京国立博物館工芸課長、郡山市立美術館館長を経て、現在、人間国宝美術館館長、東京国立博物館名誉館員。 主な著書に、『千利休の創意 冷・凍・寂・枯からの飛躍』(角川書店 1995)、『古田織部 桃山文化を演出する』(角川書店 1999)、『武野紹. 茶の湯と生涯』(淡交社 2002)、『茶人豊臣秀吉』(角川書店 2002)、『茶の湯の祖 珠光』(角川書店 2004)、『武将茶人 上田宗箇』(角川学芸出版2006)、『エピソードで綴る茶入物語』(宮帯出版社 2011)、『エピソードで綴る戦国武将茶の湯物語』(宮帯出版社 2014)、編著に、『角川日本陶磁大辞典』(角川学芸出版 2011)など多数。

 

四六判 並製 350頁  ISBN: 978-4-8016-0013-3

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